コラム
問題の本質
トヨタのリコール問題の対象になってしまったので、人事とはあんまり関係ないけど、思うことがあるので書きます。
今回のプリウス関係のリコールって、ABSという、「アンチロックブレーキシステム」の不具合ということなんだけど、これって、「タイヤをロックさせないためのブレーキのシステム」なんだよね。
技術に詳しくはないんだけど、要するに、「滑りやすい路面で」「タイヤをロック(停止)させるほどブレーキを踏んで」「クルマの姿勢が制御できなくなるとこわいので」「そうならないようにABSというシステムが働いて」「タイヤが回転し続けるようにする」というものだから、つまるところ、「ブレーキを効かなくする仕組み」なんだね。
「タイヤをロックさせないように、慎重にスピードを出しすぎずに、ゆるやかにブレーキを踏む」ということで、これって教習所で教わること。そう、懐かしい「ポンピングブレーキ」を機械がやってくれるみたいなものだと思う。
だから、そういうことをしなければ、今回のリコールの問題はほとんど問題ではないわけで、わかっているユーザーはあまり気にしていないと思う。日経新聞にもそう出ていたし。
世間が騒ぐのは、当事者としては「大きなお世話」なんだね。
騒いでいるのは関係者以外。まあ、お役所で、寒冷地でもないのにプリウスを使用停止にしたという、問題の本質をまったく鑑みない施策を行ってしまうというのは、まったくもって「なんだかなあ」と思う。
ただ、そういう心理的なものをもたらしたのは、トヨタの「ユーザーの感覚的なもので・・・」という言い訳をした役員の会見によるところも大きく、「ご心配をおかけして申し訳なく、お客様のそのような感覚を踏まえて改善いたします」とでもしとけばよかったんじゃなかろうか。
あえて人事につなぐとすれば、そういう風評や世論に振り回されずに、過剰に反応せず、冷静に事象の全体像を見据えようとするのが、人事の役割だと思うわけで、少なくとも使用停止にした役所のような反応だけは、しないようにしていきたいものだと思う。
風評被害って、こわいよなあ。マスコミって、浅いよなあ。