2024.07.22
リモートワークによって、日本の雇用制度は大きく変わろうとしています。リモートワークでは、社員が働く姿がよく見えません。上司によるマネジメントが徹底しにくくなるため、今後はセルフマネジメントできる人材が強く求められるようになります。では、セルフマネジメントとは、具体的には何をすればいいのでしょうか。
リモートワークによって、日本の雇用制度は大きく変わろうとしています。リモートワークでは、社員が働く姿がよく見えません。上司によるマネジメントが徹底しにくくなるため、今後はセルフマネジメントできる人材が強く求められるようになります。
では、セルフマネジメントとは、具体的には何をすればいいのでしょうか。それは、自分の「職務(ミッション・役割)」と「成果」を明確に定義することです。
「今年の私の仕事はこれです」
「こういう成果を出します」
自分がアウトプットする職務と成果を、自分自身で明らかにし、会社に認めてもらう。こうした行動が、これからのリモート時代には非常に重要になってきます。
リモートワークへの移行、さらには景気の悪化といった社会の激変にともなって、会社の評価制度も変わらざるを得ません。根強く残る「勤続年数」や「年齢」で給与を決める「年功序列型」が衰退していくのはもちろん、「行動」と「成果」で評価している会社も、「行動」が見えにくくなるとすれば、「成果」をより重視していくことになります。
すでに日立や富士通、資生堂が表明しているように、職務を定義し、その成果で評価・管理をする「ジョブ型雇用」が今後主流になっていくかもしれません。
このジョブ型雇用で重要になるのが、「ジョブディスクリプション(職務定義書)」を作ること。リモート時代に勝ち残っていけるのは、これを自分で作れる人です。
ジョブディスクリプションとは、自分が担当する業務内容、その重要度、頻度、指標、必要なスキルなど、自身の職務を定義する書類です。日本ではあまり一般的ではありませんが、欧米では人事評価や求人時に不可欠な書類とされています。
ジョブ型に限らず、従来のメンバーシップ型の雇用形態であっても、職務を明確にしなければリモートワークは機能しません。職務や成果を明確にできれば、会社も安心して仕事を任せることができます。
これからの社会では、こうした書類を自分で作り、職務と成果を自ら定義し、会社に提案できる人が高い評価と収入を得ていくでしょう。
なぜなら、会社が社員全員のジョブディスクリプションを作るのは、大変な作業です。業務内容や範囲、その重要性や必要となるスキルを社員一人ひとりにヒアリングし、詳細に書き出していくことは非常に困難です。
その必要性は認識しても、実際に活用していける日本企業は多くはないはずです。
だからといって、会社から職務を指示されるのを待っているだけの社員は、評価は下がり、給与も上がらず、最悪、リストラということもあり得ます。
サラリーマンであっても、今後は自営業のような働き方が求められていくのです。それができる人と、できない人では、どんどん大きな差が生まれていきます。
リモート時代に必要なのは、「私は何をアウトプットする役割なんでしたっけ?」「どんな成果を出すんでしたっけ?」といったことを改めて考え直すことです。
自分で自分の職務を決めて成果を出す。
これができない人は、今後は年収が上がらなくなっていくでしょう。前回の記事(リンク入れて下さい)でお伝えしたように、いまや多数の企業が廃業を迫られる、未曾有の不況が訪れようとしています。社員と会社の関係は、よりシビアでドライな、本質的な雇用関係、いや「契約関係」に変化していくはずです。
自営業やフリーランスの場合は、クライアントに「自分はこういうことができます。値段はこれくらいです」と、職務も成果も報酬も、自分自身で決めて交渉します。
会社員も年収を上げるためには、こうした行動が必要な時代になっていきます。たとえば、自分の職務と成果を示し「年収600万円ください」と会社に交渉するのです。
自分の値段は、自分で決める。
これがリモート時代に目指すべき働き方です。それができる人なら、600万どころか、800万でも1000万円でも取れるようになるでしょう。
サラリーマンのほとんどが自分の給与に不満を持っていますが、人に決めてもらおうとするから不満になるのです。
自分でやるべきことを決め、それに見合った正当な報酬を会社に求めれば、そんな不満もなくなります。もちろん成果を出すことが大前提ですが、こうした働き方ができる人なら、必ず高く評価され、年収も上がります。
仕事内容にしても同じです。ただ会社から与えられた仕事をこなすのではなく、自ら提案し、実現し、成果をあげれば、働くことが面白くなります。
仕事が面白くなり、希望する年収をもらえる。
これが理想の働き方ではないでしょうか。「この仕事をするから1000万円ください」でもいいし、「これはやりたくないから400万でいいです」でもいいのです。
自分でジョブディスプリクションを作り、職務と成果と明確にし、適切な年収を求め、それを会社に認めてもらう。これができるようになれば、どんな会社でも通用します。実際、欧米ではこうした方法でキャリアアップしていくのが一般的です。
いつでも転職できる。そう思えるようになれば、今の会社に執着する必要もなくなります。今の会社で評価されれば残るし、評価されないなら他に行けばいい。そういうスタンスで働いていれば、逆に会社の方から高待遇を提示してくるでしょう。
要は、「フリーランスのサラリーマン」を目指すのです。
ジョブ型雇用が増えていくリモート時代は、そんな働き方がしやすくなります。職務も年収も自分で決める。そんな働き方を目指してみませんか?
次回に続く
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
社内外のコミュニケーション手段として、メールに加え、チャットツールを導入する企業が増えています。チャットはPCやスマホを通じてリアルタイムのコミュニケーションを可能にするツールで、社内SNSとも呼ばれています。リモートワークの普及にともない、チャットの利用頻度も高くなり、上司や同僚、部下、あるいは取引先から、毎日多くのメッセージが届くような時代になりました。
がんばっているのに評価されない、給与が上がらない、昇進できない。 そういう人に多いのは、がんばり方がズレているケースです。 まずは自身のミッションを改めて確認してみましょう。ここからすでにズレている人が多いのです。会社や部署が求めていることと、自身が思っているミッションが違っていたら、会社からは評価されません。
のハラスメントが、深刻な社会問題になっています。2019年5月には、パワハラを防止するための「パワハラ防止法(改正労働施策総合推職場進法)」が成立。大企業では2020年6月1日から、中小企業では2022年4月1日から、パワハラ防止のための措置が義務づけられました。これによって必要な措置を講じていない企業は、是正指導の対象となります。そこで今回は、パワハラやセクハラの「加害者」にならないように、人事の立場から防止策をお伝えしたいと思います。
リモートワークの浸透によって、日本の雇用制度のあり方が大きく変わろうとしています。「成果」を評価することは、リモートワーク時代におけるマネジメントの方向性として正しいと思います。「成果」は、そこに至る「プロセス」によってもたされますが、リモートワークにおいて「プロセス」が見えにくいとすれば、「成果」を重視せざるを得ない、ということは間違いないでしょう。
「高い業績をあげているのに、会社から評価されない」 「実力と給与が見合わない」 「自分ではなく○○が昇進するのが納得できない」 そんな悩みや不満がある人に、ぜひチェックしてほしいことがあります。 毎朝、職場のメンバーに「おはようございます」と明るくはっきりと声をかけていますか? エレベーターや廊下で他部署の人に会ったら、爽やかに「おつかれさまです」と言っていますか? 仕事が終わって帰る際、しっかりと「お先に失礼します」と声をかけていますか? もし、ひとつでも「NO」があるようでしたら、 それが評価や給与が上がらない理由かもしれません。
業績をあげているのに評価されない、給与が上がらない、昇進できない、そんな不満や悩みがある場合、自分では気がつかない原因があるものです。 そのひとつとして考えられるのが、「提出物」です。 交通費や経費の精算、業務報告書、決裁書、請求書、タイムシート、年末調整申請書、自己申告制度のアンケートなど、会社にはさまざまな提出物があります。
総務省統計局が2020年5月に発表した「労働力調査」によると、役員を除く雇用者5661万人のうち、正規の職員・従業員数は3508万人と、前年同期に比べて51万人の増加。非正規の職員・従業員は2153万人と、9万人が減少していました。「非正規雇用から正規雇用になるには、どうしたらいいのでしょうか?」私は非正規雇用の方々からこのような質問を受けることがあります。この数値が表しているように、実は正規雇用になるのはそれほど難しいことではありません。
あなたは、現在の自分の評価やポジション、給与などに満足していますか? このような悩みはないでしょうか。「高い業績をあげているのに、会社から評価されない」「実力と給与が見合わない」「自分ではなく、○○が昇進するのが納得できない」 私はこれまで1万人以上のビジネスパーソンの昇格面接や管理職研修を行い、300社以上の企業の評価・給与・育成などの人事全般にたずさわってきました。そして、多くの方々から上記のような不満や悩みを伺ってきました。評価されない、給与が上がらない、昇進できない。これらのケースの場合、その理由はさまざまですが、実は多くの人が気付いていない盲点があります。