2023.11.06
あなたは、現在の自分の評価やポジション、給与などに満足していますか? このような悩みはないでしょうか。「高い業績をあげているのに、会社から評価されない」「実力と給与が見合わない」「自分ではなく、○○が昇進するのが納得できない」 私はこれまで1万人以上のビジネスパーソンの昇格面接や管理職研修を行い、300社以上の企業の評価・給与・育成などの人事全般にたずさわってきました。そして、多くの方々から上記のような不満や悩みを伺ってきました。評価されない、給与が上がらない、昇進できない。これらのケースの場合、その理由はさまざまですが、実は多くの人が気付いていない盲点があります。
あなたは、現在の自分の評価やポジション、給与などに満足していますか?
このような悩みはないでしょうか。
「高い業績をあげているのに、会社から評価されない」
「実力と給与が見合わない」
「自分ではなく、○○が昇進するのが納得できない」
私はこれまで1万人以上のビジネスパーソンの昇格面接や管理職研修を行い、300社以上の企業の評価・給与・育成などの人事全般にたずさわってきました。そして、多くの方々から上記のような不満や悩みを伺ってきました。
評価されない、給与が上がらない、昇進できない。これらのケースの場合、その理由はさまざまですが、実は多くの人が気付いていない盲点があります。
それは「人事の目を意識しているか?」ということです。評価、給与、昇進・降格を決めるのは、あなたの上司だけではありません。経営陣だけでもありません。そこには多くの場合、「人事の目」が大きく影響しています。
人事は、成果や業績だけを見ているわけではありません。勤務態度、日頃の言動、出勤時間、就業規則の遵守、会社の理念に沿った行動など、その視点は多岐に渡ります。それらを経営者や管理職に伝えることが、人事の重要な役割なのです。
あなたが「思うような評価や給与を得られない」「昇進できない」といったことで悩んでいるのなら、「人事的な観点」が抜けていることに原因があるのかもしれません。
人事担当者や人事部門に対して、「細かいことにうるさい」「面倒くさい」「胡散くさい」「秘密を握ってそうで怖い」「何をしているのかわからない」といったイメージを持っている人は多いと思います(本当はそうとは限らないのですが……)。
しかし、たとえそう思っていたとしても、人事とはうまく付き合った方がいいでしょう。媚びを売る必要なんてありませんが、少なくとも「敵」に回すことだけは避けるべきです。なぜなら、人事を敵に回しても何もいいことはないからです。
たとえば、重要なポジションが空いて、誰かを抜擢する際には、人事がリストをつくります。その際に、たとえ営業成績はトップでも「協調性を欠く」「就業規則を守らない」「部下の育成を行わない」といった社員は、人事では「問題社員」と見なして、リストから外すことがあります。
また、人事は経営に非常に近いポジションにいるため、経営者や役員から「アイツはどうだ?」「コイツはどうなんだ?」と意見を求められる機会が多く、人事の発言は、社員の評価、給与、昇進・降格などに大きく影響します。
そんな人事を敵に回してしまったら、あなたの将来は閉ざされてしまいます。
人事は、採用、配置、登用、昇降格、評価、育成、給与、厚生、労務など、非常に幅広い領域を扱っている部門です。だからこそ「何をしているのかわからない」といった印象を持たれてしまうのでしょう。
ただ、ひと言でいえば、人事とは「人」のことを考えている部門です。
営業や企画が「商品・サービス」について考えているように、経理が「お金」、法務が「法律」について考えているように、人事担当者は「人」のことだけを考えています。
一例を挙げれば、人事は直接、社員の評価はしません。しかし、評価制度を整えたり、適切な評価が行われるように、評価会議を司ったりはしています。なぜなら、評価を通じて「人」を育てることが人事の重要なミッションだからです。
たとえば、管理職の中には「部下の何をどう評価したらいいんだろう?」と頭を悩ませている人が多く、甘い評価をつける人もいれば、辛い評価をつける人もいます。そのため、管理職によって部下の評価にはバラつきがあります。
それらの評価が適切かどうかを判断するのも、人事の重要な役割です。甘い評価をつけてきた管理職には、次のような指摘をします。
「部下に『A』の評価をつけるということは、今のままでOKですよ、と伝えることです。逆に『B』であれば、よくやっているけれど、もう少し改善してほしいということです。今、あなたの部下に伝えるべきメッセージはどちらでしょうか?」
最終的な評価を下すのは管理職です。しかし、このように「人事の発言」はあなたの評価に大きく影響しているのです。
だからこそ、人事の発言は公正であるべきです。好き嫌いで社員を評価したり、処遇を決めるようなことがあってはなりません。
そのため人事担当者の中には、公正性を疑われないように、社員と二人で飲みに行くことを避けたり、他部署の同期と会う場合も会社から離れた場所を選んだりする者もいます。私はそこまでしなくてもいいと思いますけどね。
しかし、人事も人の子です。公正であるべきと自分を戒めてはいても、個人的な感情を完全にゼロにすることは難しいと言わざるを得ません。
人事を敵に回さないためには、人事の悪口は避けましょう。部下の評価や社員研修など、人事の施策には面倒くさいと思うことも多いかもしれません。それに対して真っ向から批判をされたり、意見を戦わせることは人事としても望むところですが、陰で悪く言っていると、信頼できない社員と判断されてしまいます。
人事は、社内の「人」の情報が集まる部門です。誰が誰の悪口を言っているといった情報はもちろん、社内恋愛すらも把握しています。陰で悪口を言っていると、必ず人事の耳に入ります。ほんの些細なひと言が、あなたのキャリアに大きな影響を与えてしまうことがないとは言えないのです。
この連載では、人事の目を通じて、評価や給与を上げる方法、昇進するためのポイントなどを、これから具体的にお伝えしていきます。人事が「何」を見ているのかを把握することは、あなたのキャリア形成においても有益な情報になるはずです。
次回に続く
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
仕事における失敗は、どのくらい人事評価に影響するのでしょうか?今回は、このテーマについて掘り下げてみたいと思います。仕事の失敗には、大きく分けて3種類あります。「挑戦による失敗」「過失や怠慢によるミス」、そして「不慮の事故」です。挑戦には、失敗がつきもの。挑戦による失敗が人事評価にマイナスの影響を与えることは、基本的にはありません。想定したリスクの範囲内であれば、むしろプラスに評価されます。
「うちは、好き・嫌いで評価していますから……」 給与、昇進、ボーナス、異動、さらには左遷やリストラなど、会社員の人生はすべて「評価」によって決まります。 評価が高ければ、給与が上がり、昇進し、ボーナスも上がる。 評価が低ければ、給与は上がらず、昇進もできず、リストラもあり得る。 ビジネスパーソンにとって本来「評価」は極めて重要なものです。 にもかかわらず、何をすれば評価が上がり、評価が下がるのか。ほとんどの会社では、その基準を明らかにしていません。
リモートワークによって、日本の雇用制度は大きく変わろうとしています。リモートワークでは、社員が働く姿がよく見えません。上司によるマネジメントが徹底しにくくなるため、今後はセルフマネジメントできる人材が強く求められるようになります。では、セルフマネジメントとは、具体的には何をすればいいのでしょうか。
がんばっているのに評価されない、給与が上がらない、昇進できない。 そういう人に多いのは、がんばり方がズレているケースです。 まずは自身のミッションを改めて確認してみましょう。ここからすでにズレている人が多いのです。会社や部署が求めていることと、自身が思っているミッションが違っていたら、会社からは評価されません。
新人研修、ビジネススキル研修、コミュニケーション研修、プレゼンテーション研修、管理職研修、問題解決研修、ハラスメント研修……。 会社にはさまざまな社員研修があり、年々増え続けているように思えます。 その一方、20代の多くが「研修なんて時間の無駄」と考えているという話もあり、 30代以上の管理職でも「研修って必要なの?」「役に立たない」と口にされる方も少なくありません。
あなたは自分の会社の「給与の仕組み」を知っていますか? 何をしたら、どれくらい給料が上がるのか? そもそも、なぜ給料は毎年上がっていくのか? 昇給の具体的な仕組みを知っている人は、おそらくあまりいないと思います。 なぜなら、ほとんどの企業では「給与の仕組み」を公開していないからです。
がんばっているのに評価されない。昇進できない。給料が上がらない。 そんな不満があって転職を考えている人もいると思います。 たしかに今いる会社がすべてではありません。自分の能力をより発揮できる会社、より評価してくれる場所を求めて転職するのもキャリアアップのひとつの方法です。
社内外のコミュニケーション手段として、メールに加え、チャットツールを導入する企業が増えています。チャットはPCやスマホを通じてリアルタイムのコミュニケーションを可能にするツールで、社内SNSとも呼ばれています。リモートワークの普及にともない、チャットの利用頻度も高くなり、上司や同僚、部下、あるいは取引先から、毎日多くのメッセージが届くような時代になりました。