2018.10.02
年功序列による評価制度が崩れつつある現在ですが、
20代には20代の、30代には30代の、40代には40代の求められているものがあります。
自分の年代に求められているものは何か、しっかりと把握して評価につなげましょう。
近年、年功序列よりも成果主義というように年齢や勤務年数で役職が決まるのではなくスキルや個々の実績(評価)によって役職が決まるというような風潮に変わりつつあります。その結果、「年齢は評価に関係ない」という考え方を持つ人も多くなってきました。しかし、果たして本当に年齢は評価に関係ないのでしょうか?
確かに年功序列のような制度は旧態依然ですが、だからといって評価に年齢が関係ないというのは極論です。年齢によって評価の基準を変えることは非常に自然なことだと言えます。なぜなら、年齢によって収まるべきステージが異なるからです。20代はまだ新人の粋、30代では役職についている人も増え、さらなる昇進も考えているでしょう。さらに40代では、部長クラスへの昇進やそれ以上の役職につくこと、そして50代を超えると、管理職に就くことを想定している人も多いはずです。社員ひとりひとりだけでなく、企業もこのような立場の移り変わりを希望している場合がほとんど。たとえ転職をしてその会社からは離れたとしても、次の会社でこの年齢による評価が変わることはあまりありません。転職先でも30代なら30代の、40代なら40代の、50代なら50代のステージにいるべきなのです。
では、それぞれの年齢ではどんなことが求められるのでしょうか?
<20代の社員に求められるもの>
20代の社員に様々なことを吸収して成長することが求められます。そのため、20代前半では、いかにスキルがあろうと頑固にならず、他者の意見や行動を吸収していくことが大切です。また、20代後半では、吸収した情報をもとに主体的に行動していくスキルが求められます。つまり、インプットとアウトプットをしっかり行える力が、20代で求められるスキルなのです。
20代ではまだキャリアステップや将来の計画などが曖昧なまま、漫然と日々を過ごしている人も少なくないでしょう。しかしその状態のままだと明確な目標が設定できないため、成長の速度が遅くなってしまいます。早めにキャリアステップを設定しましょう。
では、逆に何をしたら評価されないのでしょうか。それは単純で、「頑固にならないこと」に尽きます。自分の意見を持つことは大いに素晴らしいことですが、仕事においてまだ経験の浅い20代で自分の意見を通したいと考えた時には、明確に言葉にして上司に伝えた上で、上司の意見もしっかり聞いて行動しなくてはいけません。
また、最近では、「なぜ、それをやるのか」といった理由を伝えられないとやらない20代が増えていると言います。ただその理由は上司に懇切丁寧に教えてもらうものではなく、自分で考えなくてはならないものです。おそらく、聞けば答えてくれる上司もいるでしょう。しかし多くの場合、仕事をしていく中で答えが見つかります。人に聞いて回答を得るより、自分で努力して回答を見つけた方が成長につながるのは自明の理です。
<30代の社員に求められるもの>
30代の社員は、ある程度仕事を覚え、20代の頃の経験を活かし仕事をしているのではないでしょうか。ただおそらく、仕事をしていく中である問題に直面するでしょう。それが、「20代の頃通用した方法では通用しなくなる」ということ。「昔はこのやり方でよかったのに…」と固定観念に縛られ、新たな解決案が考えられなくなりがちです。
そのため、30代で必要なスキルは「20代でのやり方」にとらわれないことだと言えます。30代では、常に「今」の自分が評価されているということを意識できるかと言うのが評価をされる上でのポイントになります。
逆に評価を下げる行動は、20代の栄光を常に誇らしげにすることです。「20代の頃はすごく業績も良かった」など誇らしげに語っても、評価されるのは「今」。20代でよい評価をもらえていたのは素晴らしいことですが、現在もその誇りに見合ったあるべき姿の自分でいられているのか、もう一度考え直さなくはなりません。ときには初心に帰る必要もあります。
<40代の社員に求められるもの>
昇進を臨む場合、40代では大きな壁が立ちはだかります。それが、部長クラスへの昇進です。課長まではすんなり昇進できていたのに、部長にはなかなかなれないという人は少なくありません。なぜなら、部長クラスに求められるスキルは「戦略」だからです。
とくに明確な評価基準を策定している企業ほど、部長クラスへの昇進には非常に厳しい審査が待っています。策定していない場合は戦略のスキルがなくても昇進できてしまうこともありますが、その場合スキルがないため会社にとってはマイナスです。責任を問われることもあるかもしれません。スキルを持たないまま部長クラスに昇進することは誰の利益にもならないので、昇進を希望するのであれば、40代のうちにしっかりと身につけておきましょう。
とはいえ、戦略は「トライアンドエラーの繰り返し」でしか学ぶことができません。ひとつひとつの経験を無駄にせずに蓄積することが大切です。
・3年後、5年後、10年後、この会社はどうなっているか。自分のいる部署はどのような立ち位置にいるか。
・現在の会社や部署の問題点は何があるか。その解決策として何が考えられるか。解決策はいくつあるか。
・それぞれの解決策のメリット、デメリット、リスクは?
おそらく、実際に実行に移せるものはそれほど多くないと思います。失敗も数多く経験することでしょう。しかしそれこそが「トライアンドエラー」の真髄です。繰り返しながら、戦略策定のスキルを高めていきましょう。
著名な経営者は、数多くの言葉を残しています。その中には自身の、ひいては会社の夢に関わる言葉も少なくありません。もしかしたら綺麗事のように感じるかもしれませんが、実は経営者にとって、「夢」は欠かせないものなのです。
なぜなら、夢を持っていない経営者は、仕事の目的を明確にできないからです。「こんな夢を実現させたい。だからこうしよう!」と部下に伝えた夢が、仕事の目的になります。もしかしたらその夢に共感できない社員が出てくるかもしれません。残念ながら、その社員は会社の進みたい方向とはそぐわなかったということです。ただ、共感してくれる部下は、経営者と同じ夢を持って仕事をします。社員が一丸となって同じ方向に進める会社は、成長する確率が飛躍的に上昇します。
ここまでずっと「夢」と表現してきましたが、言い換えると「経営理念」や「ビジョン」に相当します。その夢を実現するために必要なのが戦略です。そのため、40代の部長クラスになると戦略策定のスキルが求められます。
夢へと邁進する経営者を支えるのが管理職です。管理職には、その夢にたどり着くために、現在の会社の状態と、3年後や5年後などの近い将来を考えながら戦略を立てるスキルが求められます。さらに、その戦略を会社全体に周知して管理するのも管理職の役目です。広い視野をもって業務に当たることが求められるでしょう。
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ー「なぜ、あの人が?」
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そのため、評価は給与を額を決めるための手段に過ぎない、
と考える人も少なくありません。
そのような考え方は、正当な評価につながらないことがあるので注意です。
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