2018.09.22
同じ会社で同じレベルの仕事をしているのに、評価される人とされない人が出てくる。
これは評価基準となる「45のコンピテンシー」を知っているかどうかの違いです。
「こんなに頑張っているのにどうして評価されないんだ」と不満を感じたことのある人は少なくないはず。しかし、その不当な評価を嘆いていても、評価が変わることはありません。まずは、自分の行動を振り返ってみましょう。
「評価されている人」と「評価されていない人」にはどのような差があるのでしょうか。単純に「評価されている人」と言ってもその度合は様々で、ずば抜けた能力を持っていて多大な評価を受けている人もいれば、自分と能力はさほど変わらないのに評価には大きな差がついてしまっているという人もいるはずです。
評価に差が生まれるのは、評価される行動を的確にできているかどうかによります。同じような仕事、行動をしていても評価される行動ができているのといないのでは評価の差は増すばかり。逆に言うならば、評価される行動を知ることが評価される近道となるのです。
では、評価される行動とは何でしょうか。多くの会社では、評価基準が曖昧に設定されています。だからこそ、どうすれば評価されるのかわからない社員が多くなり、同時に不満の声も広がっていきます。しかし、曖昧な評価基準であるものの、その根底には、実は普遍的な評価基準が存在しています。この評価基準こそ「45のコンピテンシー」です。また、この「45のコンピテンシー」はどの会社にも共通した評価基準とも言えます。
つまり、「45のコンピテンシー」を知ることこそ、評価される行動を知ること。そして、実行することで、自ずと評価されていくのです。この「45のコンピテンシー」は言うならば、会社が求める能力です。クラスによって求められる能力が変わって行くのと同じで、「45のコンピテンシー」もクラスごとに変わっていきます。
例えば、「課長クラス」と「部長クラス」では、求められるスキルが変わってきます。よりわかり易い例でいうと、「新人クラス」と「役員クラス」では、求められるスキルが違うのは当然のことです。
自分は何を求められているのか、何ができていて、何ができていないのか。「45のコンピテンシー」と現在の自分を照らし合わせることで、現状を把握し、目標を明確に設定することができます。
クラスごとの詳しいコンピテンシーはこちらの記事を参考にしましょう。
クラス別でみる「評価に値する行動」とは~管理職クラス編~
クラス別でみる「評価に値する行動」とは~若手・中堅編~
「45のコンピテンシー」はあくまで共通の評価基準に過ぎません。先述の通り、多くの会社では、この評価基準が曖昧なことが多いです。しかし、評価基準を明確化することで、「45のコンピテンシー」のように目標を設定し、社員が適切な勉強と努力をし、正当な評価を受けることができます。そのため、評価基準を明確化することは、会社のためにも社員のためにもなるのです。
とはいえ、評価基準を明確化するためには様々な問題が生じます。営業や企画など、「売上」という数値化された明確な指標がある職種があれば、総務や経理、人事といった数値化されにくい職種もあるためです。しかし、どの職種に関してもやり方さえわかってしまえば、仕事を数値化し、会社への貢献度を「見える化」する事は難しくはありません。
そのためにも評価基準は曖昧であってはならないのです。どの職種においても数値という絶対的な評価によって評価していく必要があります。
もちろんこの評価基準を見える化するためにはそれなりの手間がかかります。この手間が評価基準を曖昧にしてしまう理由でしょう。とはいえ、この手間を省くことにメリットはないと考えてください。むしろ、この評価基準を明確化したときのメリットを理解しているのであれば、行わない手はありません。
評価基準を明確化することで起こるメリットは社員に正当な評価を下すことができるということ。また、明確化された評価基準によって社員の目標を設定することができ、社員全員が会社の求めるスキルと同じベクトルに向けた努力を行うことができます。これは「社員の育成」をより効率的に行うことにもなり、必然的に、会社全体の「業績が上がる」ことになります。
社員全体が会社と同じベクトルで成長することで、会社も成長し、一人ひとりの給与も自ずと上がっていくのです。努力が評価され、給与も上がれば、社員のモチベーションが向上することは言うまでもありません。もちろん、離職も減ります。
最初は手間に感じてしまうでしょう。しかし、一度明確な評価基準を設定してしまえば、その後はメンテナンスを行えばよいだけです。会社の成長を考えるのであれば、評価基準は明確化するようにしましょう。
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ー「なぜ、あの人が?」
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