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第27回 人事がこっそり教えるリモート時代の「社内人脈」のつくり方

かつて喫煙所は、社内人脈の宝庫だった 仕事をするうえで、社内の人脈は広いほうがいいです。社内のキーパーソンとの […]

かつて喫煙所は、社内人脈の宝庫だった

仕事をするうえで、社内の人脈は広いほうがいいです。社内のキーパーソンとの人脈があれば、案件を通しやすく、やりたいことが実現しやすくなります。人的ネットワークを持っていることは、人事評価の対象にもなり、昇進や昇給にも影響します。今回は、そんな「社内人脈」のつくり方についてお伝えします。

社内人脈の宝庫といえば、かつては喫煙所でした。喫煙所は、部署も立場も異なる、さまざまな人が集まります。職場を離れ、誰もがリラックスしているため、本音で話をしやすく、以下のようなメリットがありました。

・経営層や管理職ともざっくばらんに話ができる

・仕事以外の話でも意気投合しやすい

・他部署の人間の顔と名前を覚えられる

・本音の会話が多く、リアルな社内情報が得られる

「職場だけれども、仕事以外の話も意外とできる」という空間は、とても貴重でした。

それによって、人間関係がより親密になれたからです。

「すべての物事は喫煙所で決まる」。昔はそういわれていましたが、今は喫煙所がない会社もありますし、大きなビルだと社外の人もいるスペースになっていたりするので、あまり込み入った話はできなくなりました。

喫煙者も少なくなっているため、現在ではオールマイティーな人脈づくりができる場所とはいえなくなっていえます。

オンラインのコミュニケーションは、有効ではない!?

喫煙所に代わるものといえば、社内のサークル活動など、趣味による繋がりでしょう。特に「ゴルフ」と「釣り」は凝っている経営者も多いので、どちらかを趣味にするのも、人脈づくりには有効です。

お金はかかりますが、ゴルフや釣りが好きな人は、いくらでも趣味の話ができます。そういう時間を一緒に過ごす努力も、無駄ではないと思います。

ただ、外出自粛が求められ、人と会うのは避けたほうがいい現在の社会情勢を考えると、無条件におすすめしにくいのが実情です。

リモート時代の社内人脈のつくり方として、メールを送る際に多くのCCをつけ、幅広く情報を共有することによって、人との繋がりをつくっている人もいますが、私はこうした方法は推奨できません。

今は、コミュニケーションツールが氾濫しています。メール、LINE、 Slack、Chatwork、Messenger……、毎日、膨大な情報が送られてきます。どの情報が大事で、どれがそうじゃないのか、チェックするだけでも大変です。

私自身は、CCやBCCのメールは、基本的に見ません。重要な情報は、必ず私自身に送られてくるはずだからです。

もっとも私のこうした態度は社内では不評で、よく怒られていますが、大きな組織のトップになればなるほど、送られてくる情報の量も半端ではないはずです。

大量のメッセージの煩雑なやりとりに、うんざりしている人も多いでしょう。

オンラインのコミュニケーションは便利ですが、人脈づくりという意味では、それほど効果的とはいえないのではないでしょうか。

 

シンプルかつ最強の「社内人脈のつくり方」

では、最も効果的な社内人脈のつくり方は何かといえば、非常にオーソドックスな方法ですが、「評価」されることでしょう。これはどんな時代でも変わりません。

毎期の評価会議など、人事評価を決める場面には、社内のキーパーソンが一堂に介し、すべての社員の情報交換が行われています。

「こいつ、Sがついているけど、どういうヤツなの?」

「今、すごく伸びている若手なんですよ」

「へえ、気になるね。業務上のつながりも考えられるから、今度声かけていい?(次の異動機会で狙ってみよう……)」

こんな会話が飛び交い、評価されている社員は、必ず話題になります。

高い評価を得ることで、社内で一躍注目される存在となり、他部門の管理職はもちろん、社長や経営層にも知ってもらえます。

また、社内で嫌がられているプロジェクトや委員会などに参加するのも、有効な方法です。誰も手をあげない企画や案件に手をあげれば、「あの人すごくやる気だね」「どんな人だろう?」と必ず注目され、社内で名前が知られます。

頑張って評価を上げる。これこそが最強の「社内人脈のつくり方」です。

 

挨拶するだけでも、実は人脈がつくれる

また、実はもっと簡単な方法もあります。それは「挨拶」をすることです。毎日気持ちのいい挨拶を心掛けるだけでも、社内で注目される存在になります。

なぜなら、企業のトップには、挨拶を重視する人が多くいるからです。

特に経営者には「俺は挨拶をできないヤツを認めない」と公言している人が多く、どんなに成績が優秀でも、挨拶ができない社員は、決して重要なポジションにはつかせない企業も少なくありません。

「○○さん、おはようございます!」

毎日そう声をかけることで「あいつの挨拶、元気いいね」と目にとまり、次第に顔や名前を覚えてもらえるようになります。帰り際にひと言かけるだけでも全然違います。

社内人脈をつくるには、まずは自分を知ってもらうことが重要です。

たとえ直接的なコミュニケーションではなくても、自分の存在を認識してもらえれば、思わぬチャンスに結びつくこともあります。

他部門の人に話を聞くに行くのも、効果的な方法です。何かのトピックがあったときに「とてもすごいと思いましたので、ぜひ話を聞かせてください」といって時間を取ってもらうのです。そういう話をされたら、相手も「悪い気はしません」ので、だいたい話をしてくれます。

自部門との関連がありそうなら、それは立派な仕事になります。そういう幅広いつながりをつくっていくのは、とてもよいと思います。

挨拶も、他部門の人から話を聞くことも、誰でもすぐできます。騙されたと思って、明日からやってみましょう。社内の人脈が、どんどん広がっていきます。

 

次回に続く

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