2018.10.03
会社にとって社長は意思決定者であり、常に先頭を走り続ける存在です。
それでも、いつでも正しい判断ができるわけではありません。
社長の指示や行動が会社の人事ポリシーに沿わない場合、
自信をもって「待った」をかけられる人事担当者になってください。
社長とは会社の方向性を最終的に決定する、いわば意思決定者。常に集団の先頭を走り、下にいる社員たちを引っ張る存在です。社長の進む方向が会社の進む方向となるわけですが、それが常に最善の方向を向いているとは限りません。社長といえども人間。タイミングによっては判断を間違えてしまうこともあるからです。社長の指示を鵜呑みにするだけではなく、間違っていると感じたときには恐れずに「待った」をかけることも必要です。
特に、会社にとって社員というのはとても大切な存在です。そんな大切な存在に関する制度、つまり人事制度については特に慎重になるべきです。社長が急に思いついた「おもしろ人事」や経営者仲間から聞いてきたことをそのまま自社に移管しようとしている時には、恐れることなく「待った」を掛けられるようになりましょう。
しかし、これを実行するのはなかなか簡単なことではありません。皆さんも容易に想像がつくかと思いますが、社長の指示に「待った」を出すのは非常に勇気がいりますよね。そんなときには、「人事ポリシー」が盾になります。
人事ポリシーというのは人事の根幹、会社が社員に求めることやそれに対する評価方針などが記されたものです。そして、一度人事ポリシーとして定めたことは、社長といえども従ってもらう必要があります。もし社長が人事ポリシーと方向性の違うことを思いついてしまったら、「今のご指示は人事ポリシーとは方向性が違うような気がするのですが」と「待った」を掛けるようにしてください。
これは人事担当のみならず、すべての社員が出来るようになってほしいことです。「待った」を掛けられるということは、それだけ人事ポリシーを意識し、理解しているとも言えます。
また、あなたが人事担当だったなら「今のご指示は人事ポリシーとは方向性が違いますが」の後に「例外ですか?それとも変更ですか?」という言葉を続けるようにしてください。
というのも、人事ポリシーというのは基本的に例外を認めてはいけません。一度例外を認めてしまうと「なんであいつだけ」「あの時はOKだったじゃん」と機能しなくなってしまいます。
これを避けるために、まずは社長に「待った」をかけ、それでも社長の気が変わらなければ「今回一度きりの例外とするのか、それとも人事ポリシーそのものを変更するのか」を問うのです。そして、例外だと言われたら絶対にその時一度きりにしてください。もし人事ポリシーを変更する、との返答であれば、一度受け入れた後、次の指示を待ちましょう。社長が本気で変えたいと思っているのなら、早い段階で指示が飛んでくるはずです。
人事ポリシーというのはコロコロ変えられるものではありません。社長が本当に変えたいと思っているのか確認するためにも、すぐに取り掛かるのではなく、一度は待機の姿勢を取りましょう。
実際私も人事担当として社長の下で働いていた時には、人事ポリシーに反する社長の思い付きに何度も遭遇してきました。そんなときには三日三晩寝かせてみたものです。すると、冷静になった社長が思いとどめてくれたのか、それとも忘れてしまったのかは定かではありませんが、再び話題に上がる事もなく、波風立てずにやり過ごせました。
経営のプロである社長の判断は、ビジネスの世界では正しいかもしれません。また、外部の変化に対応した迅速な計画変更も必要でしょう。しかし、人事においては逆効果です。
社長の一声に振り回されて人事制度を変革した結果、社員の心が離れて明らかにモチベーションが低下したというケースもありましたし、人事制度の変革によって大量離職が起こったというケースも実際に見てきました。社員とは会社の根幹。そして、そんな社員のモチベーションを左右するのが人事ポリシーなのです。
あなたが人事担当なら、自分の職務に自信を持ち、人事ポリシーに沿った人事制度を構築していけるように努力しましょう。社長に「待った」を掛けるのは、その中でも極めて重要な仕事の一つです。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
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テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
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人事は受け身姿勢になりがちです。
しかしこれからの時代、受け身人事のままだと
仕事がなくなってしまう可能性があります。
ぜひ今回の記事で、「人事としての姿勢」を見直してみてください。
総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社は、代表取締役社長・西尾太の著書『この1冊ですべてわかる 人事制度の基本』出版記念特別セミナー【聞いた後でジワジワくる‼西尾太の「地味な」人事の話】を2022年11月17日、TKP東京駅日本橋カンファレンスセンターにて開催いたしました。本記事は、このセミナーの内容を再構成・加筆してお届けしています。最終回のテーマは「人事担当者の要件」。人事部長や人事担当者は、どんな人が適しているのでしょうか、大事な条件についてお伝えします。
優秀な若手社員ほど、数年、時には数ヶ月で突然辞めてしまうことがあります。
「この会社にいても外で通用しない」など理由は様々。こうした時、若手社員の不満に耳を傾けたり、柔軟な働き方を提案することで退職を思いとどまらせることができるかもしれません。
バブル崩壊後、企業は採用を抑制し、ジョブ型雇用に切り替えようと試みました。
しかしその試みが上手くいった企業は少ないのが現状です。
ジョブ型雇用が注目を集める昨今、
会社は過去の教訓を活かしどのように動くべきなのでしょうか?
フォー・ノーツ代表の西尾が、
人事3年目の社員に求められる3つのことを紹介していきます。
1年目は仕事を理解し、2年目はできたところ、できなかったところを洗い出す。
これらを踏まえて臨む3年目には、いったい何が必要なのでしょうか?
注目されている「ジョブ型雇用」は、
すべての会社にとって有効というわけではありません。
会社が人材についてどのような問題を抱えているかによって、
毒にも薬にもなり得るのです。
今回はジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用について、
そしてそのメリット・デメリットについて解説いたします。
「これはルールだから」と融通のきかない人事担当者は嫌われるもと。
とはいえ、人によってルールを変えていてはルールとして機能しません。
柔軟に対応することが大切ですが、
ではどのようにバランスをとればよいのでしょうか?
人手不足になってから採用を進める補填的人事はおすすめできません。
そもそもなぜ退職者・離職者が多い会社が出てきてしまうのでしょうか?
そして、補填的採用ではない対処法としては、どういったものがあるのでしょうか?