2025.02.26
人手不足が深刻化する中、ますます重要になってきた採用活動。人が採れない原因は、採用方針にブレがあるからかもしれません。また採用できても早期離職に至るケースも増えています。求める人材像について、いま一度、確認してみることが大切です。今回は、「協調性/主体性」という観点で考えてみましょう。
企業人事の軸には「人事ポリシー」があります。人事ポリシーとは、企業の「働く人に対する考え方」。ここがブレていると、採用においてもミスマッチが生じ、思うような人材を獲得することができません。また、人材の流動性も高まっており、社員の定着に多くの企業が苦慮しています。
自社が求めているのは、どのような人材なのか。さまざまな観点から採用方針を整理し見直してみましょう。
チームワークと個人で実績をあげること。
あなたの会社では、どちらを重視していますか?
チームプレイか、個人プレイか。協調性か、主体性か。これは採用方針として明らかにしておきたい要素の1つです。人には、それぞれ固有のパーソナリティがあり、向き・不向きがあります。自ら考え主体的に行動するのが得意な人もいれば、周囲に協力することでパフォーマンスを発揮するのが得意な人もいます。
協調性と主体性、どちらも大切ですが、どちらをより重視するかを決めることによって、求める人材像が明確になり、適切な採用・配置・育成、また給与制度の在り方も見直すことができます。
例えば、チームで役割を分担し実績をあげることを重視するならば、チームインセンティブ、部門評価などの施策の重要性が増すでしょう。個人プレイ重視ならば、個人インセンティブ・賞与などの比率を高めることになるでしょう。1人ひとりの業績が明らかになりやすい仕事であれば、こちらを重視すべきです。
チームプレイと個人プレイ。どちらの要素も1人の人材に求めることは、そう簡単ではありません。
どちらを重視するかを決めることによって、採用すべき人材も一匹狼型か協調型か変わってきます。
もう少し詳しく見てみましょう。人の特性は大きく分けると、「自己拡大・冒険型」「安心・安定志向型」「集団形成型」「独立孤独型」という4つのタイプに分類することができます。
変化を求め、新しい取り組みに挑むことを好む「自己拡大・冒険型」の中にも、個人行動を好む「独立孤独型」と、チームで行動することに適した「集団形成型」がいます。
前者は新しい価値を個人で生み出すことが求められるスペシャリスト、後者は組織を通じて実現することが求められるコア候補といえるかもしれません。
秩序を守ることや堅実に物事を進めることを好む「安心・安定指向型」の中にも、個人行動を好む「独立孤独型」と、チームで行動することに適した「集団形成型」がいます。
前者はマニュアルに従って行動することが求められるオペレーター、後者は組織的に遂行されることが求められるオペレーションマネージャーが向いているのかもしれません。
人の特性は多様化しています。個人プレイかチームプレイか、自己拡大か安定指向か、集団形成型か独立孤独型か、それぞれどちらを重視するのか。求める人材の志向性を明確にすることによって、職種や職位とのミスマッチを避けられるようになります。
新たな取り組みに積極的にチャレンジしたり、常識に縛られない自由な発想を持っている人は、リーダーや専門職には向いていますが、一般事務やライン作業のような決められた業務を遂行する仕事には向いていないかもしれません。
決められた規則やルールを守ることを大事にする人は、課長やチーフといったオペレーションマネージャーとしては活躍できても、戦略や変革力が求められる部長や役員としては力を発揮できないかもしれません。
安心・安定志向が強い社員を営業職に配属したら、お客様の厳しい言葉や理不尽な要求に対応できなくて、うつになってしまった。自己拡大型でリーダーシップはあるものの、場当たり的に物事を進める社員を課長にしたら、部下がストレスで苦しみ、多くの離職者が出てしまった…。
経営者や管理職からご相談を受けていると、このような職場でのメンタルヘルスの問題について悩まれている方々が年々増えてきています。社員のパーソナリティをできるだけ把握し、適材適所の配置や育成を行なっていくことが、会社を成長させていく大事なポイントです。
人は、環境や時とともに変わっていきます。一生「自己拡大」や「安定指向」、「集団形成型」や「独立孤独型」といったことはないかもしれません。しかし、少なくとも、それぞれのタイプごとに、その時点で向いている仕事をしてもらったほうがパフォーマンスを発揮する可能性は高いといえます。
1つに絞る必要はありませんが、どのような人材をどれだけ採用するのか、どのように配置するのか、どのように成長させていくのかを、あらかじめ想定しておくのは大切なことです。
個人プレイかチームプレイか、自己拡大か安定指向か、集団形成型か独立孤独型か。このような切り口にも目を向けて、自社が求める人材像をより明確にして採用や配置を行なっていきましょう。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
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ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
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人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
いま再び注目を集めている「ジョブ型雇用」や「成果主義」は決して新しい考え方ではありませんが、これからの働き方を考える中では重要な要素です。 その実現のためにはジョブディスクリプション(職務記述書)が必要とされています。しかし、ジョブディスクリプションの策定や運用には、様々な課題も想定されます。 「働き方」「雇用のあり方」「管理のあり方」「評価のあり方」「給与・処遇のあり方」といった「考え方」そのものをどこまで変えるのか、といったことをよく考える必要があります。 今回は代表西尾から、これからの時代の働き方や評価についてお伝えしていきます。
コロナ禍で黒字リストラが増える中、従業員シェアやワークシェアリングなどの雇用を守る取り組みが注目されています。どちらも有効な施策ですが、長期的に継続するかどうかが鍵となります。そこで今回は、人事のプロフェッショナル集団、フォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP)の著者・西尾太が、雇用を守るために人事担当者がすべきことについてお伝えします。
年功序列の処方箋としてブームになった成果主義やジョブ型雇用で、日本企業は本当に「脱・年功序列」を実現できるのでしょうか? 多くの企業はポリシーを持たずに、小手先の手法を取り入れて痛手を負っています。手法の導入だけに走った企業はどうなってしまうのか、改めて考えてみましょう。総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社の代表であり、『超ジョブ型人事革命』(日経BP )の著者・西尾太が、年功序列を脱するための方法についてお伝えします。
人事5年目に必要なことを、フォー・ノーツ代表の西尾がお伝えします。
人事5年目ともなれば仕事ぶりも板についてきたはず。
このフェーズでは今やっている仕事に意味や理由を、
周りに説明できる能力が求められます。
さらにステップアップしたいという方は、5年後、10年後の会社の姿を考えて、
それまでに何が必要かを考えて行動してみましょう。
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会社にとって社長は意思決定者であり、常に先頭を走り続ける存在です。
それでも、いつでも正しい判断ができるわけではありません。
社長の指示や行動が会社の人事ポリシーに沿わない場合、
自信をもって「待った」をかけられる人事担当者になってください。
人事にとっては社内の情報収集も業務の一環です。
社内の人が集まりそうなところに積極的に顔を出して、
コミュニケーションを重ねなければいけません。
目指すは「話しかけやすい人事」です!
キャリアステップが必要なのはわかるけど、
どのタイミングで導入するべきかわからない。
今回はこの疑問に、フォー・ノーツ株式会社の曽根がお答えいたします。