2024.10.23
1 on 1は「部下を育てるための時間」 あなたの会社では「1 on 1」をやっていますか? 「1 on 1」 […]
あなたの会社では「1 on 1」をやっていますか?
「1 on 1」とは、革新的なベンチャー企業や有名企業が集まる米国シリコンバレーでは当たり前の習慣とされている、上司と部下による1対1の対話です。
グーグル、ヤフー、メルカリ、楽天、日清食品、パナソニックなど、国内外を問わず、先進企業や人気企業であるほど、積極的に取り組んでいます。
といっても、上司が部下に報告を求め、指摘するような「管理のための時間」ではありません。「1 on 1」の目的は、部下の成長を促すこと。部下の現状の悩みに寄り添いながら、部下の能力を引き出す、いわば「部下を育てるための時間」です。
多ければ週に1回、最低でも月に1回は実施することが重要とされており、1回の実施時間は30分程度。中には、毎週1時間かけている企業もあります。
では、なぜ人気企業ほど「1 on 1」に熱心に取り組んでいるのでしょうか?
その目的はさまざまですが、最も大きなもののひとつは、若手が辞めないようにするためです。
「1 on 1」は、もともとグーグルやインテル、マイクロソフト、アドビシステムといったシリコンバレーの人材獲得競争が激しい人気企業から始まっています。日本でもヤフーがいちはやく導入しました。
人気企業では、その会社でキャリアを積んでいくことのメリットや、上司自身がキャリアアップしていく姿を常に見せていないと、若手が辞めてしまいます。
若手の教育という意味合いももちろんありますが、それ以上に、実は離職を防げるという効果が高いのです。
「最近うれしかったことある?最近困ったことある?」
「どんなことにやりがいを感じた?」
「チームの状況はどう思う?」
「困っていることや悩んでいることはある?」
「今後のキャリアはどうしていきたい?」
部下の悩みを知り、真摯に相談に乗り、コミュニケーションを深めながら、部下の能力を上手く引き出せるように導いていきます。
そのため「1 on 1」が終わったあとに、「部下が話してよかった!」と思えることが、第1のゴールになります。
上司にとって重要なのは、部下の成長度によって接し方を変えることです。社会心理学者・三隅二不二さんの「PM理論」では、上司を4つのタイプに分類しています。
① 説得型……「成果」と「人の気持ち」、どちらも重視できる
② 指示命令型……「成果」を重視し、「人の気持ち」はあまり考えない
③ 参加型……「人の気持ち」を重視し、「成果」はあまり考えない
④ 委譲型……「成果」と「人の気持ち」、どちらもあまり考えない
「説得型」は、「なんでこれやるかわかるか?」「できたか?」「やったな、よかったな」と、仕事の目的をきちんと説明し、部下の気持ちにもしっかり寄り添うタイプ。
「指示命令型」は、「目的? いいから、まずやってみせろ」「手を動かせ」といった、まず行動することを優先するタイプ。
「参加型」は、「大丈夫? 元気?」「飲み行こうか!」という、成果より気持ち型。
「委譲型」は、「よきにはからえ」と、部下に仕事を丸投げしてしまうタイプです。
一般的には「説得型」が理想のリーダー像とされ、正反対の「委譲型」が一番ダメなタイプとされていますが、実は一概にそうとは言いきれないのです。
部下がまだ新人で何もわからないときは、とにかく仕事をさせ、経験を積ませる「指示命令型」のほうが、成長スピードが速い場合もあります。
部下が育ってきたら「なんでこれやるかわかるか?」「できたか?」と、いちいち声をかける「説得型」は、うっとうしかったりもします。
むしろ気持ちのメンテナンスだけする「参加型」のほうが心地よかったり、いっそ何も口出ししない「委譲型」のほうが、伸び伸びと仕事ができて成長しやすかったりもします。
マネジメントやコミュニケーションの方法は、部下のタイプや成長度合いによって変化させる必要があります。それは「1 on1」でも一緒です。
部下が成果を出せるようになったら、メンタルだけを気にかけたり、それも自己管理できるようになったら、遠くで見守るのもひとつの方法です。
そのためにも、まずは部下とのコミュニケーションを深めていくことが大切です。
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日本では少子高齢化が果てしなく進み、どの会社も採用難で苦しんでいます。人気企業ですら、人材獲得にこれだけ必死になっているのです。優秀な若手は引く手あまたです。上司から積極的に寄り添っていかないと会社に残ってくれません。
人事の立場からすれば、「1 on 1なんて忙しくてできない」といっているような人は、管理職から外れてもらうしかありません。
時間がないから、部下の育成なんてできない。それでは今の時代、管理職失格です。
もしまだこの制度を導入していないのならば、自分自身のためにも時間を割いて、部下と真摯に向き合ってみましょう。それが時代の流れです。
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