2024.09.30
リーマンショック、東日本大震災を超える、最大の危機感 ウクライナ危機とともに円安、物価高騰、電力不足など、様々 […]
ウクライナ危機とともに円安、物価高騰、電力不足など、様々な問題が噴出しています。私はリーマンショックのときも、東日本大震災のときも「大丈夫、何とかなる」と考えていましたが、今回ばかりは漠然とした不安が強くなっています。
というのも、どの問題を考えてみても、ずっと先送りにしてきたことが顕在化しているだけだからです。物価高騰は、エネルギー政策をちゃんとやってこなかったから。電力問題も、原発問題を先送りにしてきたから。食料自給の問題も、ほぼ何もやってこなかったから。ロシアのウクライナ侵攻によって、これらの引き金が引かれただけ。
特に円安と物価高騰は、ビジネスパーソンにとって非常に重要な問題です。これによって大リストラ時代に突入してしまうかもしれません。
大企業は今後もそれなりに生き残っていくでしょうが、中小企業はますます経営が厳しくなっていくはずです。となれば当然、従業員も淘汰されます。
ただ私は、中小企業に関しては、政府の施策によって、死ぬべき会社を生かしてきたことも問題だと考えています。稼ぐ力がすでにない会社を助成金や補助金で救ってきたことが、日本がここまで国力を落としてしまった大きな要因ではないでしょうか。
日本の労働生産性は、主要先進国で最下位です。これもずっと先送りにしてきた課題のひとつ。この国が現在、早急に取り組まなくてならないのは、生産性を高めること。そして、最低賃金を大幅に引き上げることです。
日本の最低賃金は、諸外国と比べても圧倒的に低いです。今では韓国にも抜かれ、OECD30か国の28位でほぼ最下位。韓国は最低賃金を10年前の約2倍に増やしていますが、日本は平均賃金すらこの30年間ほとんど上がっていません。
全国労働組合連合は、全国一律に1500円までの最低賃金の引き上げを訴えていますが、中小企業の利益を代表する日本商工会議所は据え置きを主張しています。
最低賃金を引き上げなければ、諸外国との差はどんどん開き、日本はますます国力を落としていくでしょう。多くの経営者が「最低賃金を引き上げたら、うちは成り立たない」と反対しているようですが、そもそも成り立たないこと自体が問題なのです。
最低賃金を大幅に引き上げれば、その賃金で人を雇えない会社は淘汰されます。そこで人材の流動化が起こり、生産性を高めるために経営者も従業員も努力します。こうした循環をしていけるのであれば、日本もまだ何とか変われるはずです。
物価上昇は続いています。賃金を上げないと人々が消費に向かわないので、景気はさらに停滞します。金利を上げることが政策的に難しい状況からすると、無理やりにでも最低賃金を上げて、物価高騰と対応していくしかないでしょう。
日本がどこまで本気でやるかはわかりませんが、最低賃金は上がるはずです。おそらく1500円くらいまで上がるでしょう。しかし最低賃金が上がったとしても「やった、僕らの給料も上がるぞ!」と喜んでいる場合ではありません。
最低賃金が上がれば、生産性の低い会社から淘汰されていきます。会社の中でも、生産性が低い人から淘汰されています。会社単位でも、個人単位でも、「生産性の向上」がより重要なポイントになっていくのです。
生産性とは、「アウトプットの価値を低いコストで出せること」。今まで出していた価値を100とするなら、120以上が求められます。
最低賃金が上がらなかったとしても、円は110円から137円に上がっています。あなたは今までの1.2倍以上に生産性を高めることができていますか?
すでに円が安くなっていますから、1.2倍の価値を出してもトントンです。1.0では、アウトプットの価値は下がっています。
管理職研修をすると、部下が「現状維持でいいです」「成長は望んでいません」と話しているという悩みをよく伺います。あるいは、40〜50代の管理職自身が現状維持を望んでいたりもします。これは本当に危険です。
現在は円安の上に物価が上がり、原材料が高騰しています。円安が1.2倍で、原材料も1.2倍に上がったら、アウトプットを1.5倍ぐらいにしないとトントンになりません。1.0のままでは、大幅な後退です。
年収1000万円なら、1500万以上の価値を出すことが求められます。年収1000万の人が1000万の価値しか出していなければ、リストラの対象になります。
現状維持は、死を意味します。円安・物価高騰によって世の中は激変しているのです。部下が現状維持を望んでいたら、それを伝えてあげなくてはいけません。自身が望んでいるのなら、意識を変えなくてはいけません。
若い世代の間では、仕事での価値発揮や生産性向上を目指すより「各自で財テクして乗り切っていこう」という考えが増えているようです。
賢い投資で現状を乗り越えていけるのならいいですが、投資で他人を働かせるのではなく、自分自身に投資して自らの価値を高めていかなければ、これからの時代を生き残っていくのは難しいのではないでしょうか。
今後は、より生産性が問われていきます。国も企業もそれを求めています。今までと同じ働き方では、マイナスの評価しか得られません。
「同じコストで、これまでの1.5倍のアウトプットを出す」
「同じ時間で、これまでの1.5倍のアウトプットを出す」
このような想定をしておかないと、今の会社で生き残れなくなるだけでなく、どこの世界に行っても、どんな会社に転職しても通用しなくなります。
あなたは、どのようにして生産性を高めて価値を発揮しますか?
あなたの会社が倒れたときに、どのような価値を提供できますか?
手遅れにならないよう、ぜひ考えてみてください。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
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40代・50代になって、「専門職を極めていくか」「社内マネジメントに積極的に関わるか」といった今後の選択について悩んでいる人は多いのではないでしょうか?この二者択一は、リストラに関わる非常に重要な問題です。人事もまさにそこを見ています。40〜50代で何らかの専門性を持っていても、同程度の専門性を持っている20〜30代の人材がいるなら、会社はそちらを選びます。
50代のリストラ対策のひとつは、若手の指導です。「あの人、若手を育てるのがうまいよね」「あの人に預ければ、育ててくれるよね」と社内で評判が立つのは、リストラを防ぐ有効な手立てとなります。
遅くなればなるほど、次の選択肢が少なくなる ウクライナ侵攻や新型コロナによる物価高騰や過度な円安、国力の低下な […]
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タレントの高田純次さんが、以前にテレビでこんな話をされていました。「年を取ってやっちゃいけないのは、説教と昔話と自慢話」その通りでしょうね。若い人たちからしたら、説教・昔話・自慢話は聞きたくないはずです。言いたいことがあっても、そこはグッと我慢する。それが私たち50代に求められている基本的なスタンスでしょう。
コロナ禍前後からリストラの対象となっているのは、おもに45歳以上の中高年です。しかし40代、50代になったからといって、誰もがリストラされるわけではありません。歳を取っても会社で生き残れる人には、3つの特徴があります。 1つは、マネジメント力があること。マネジメント力には、「タスクマネジメント」と「ヒューマンマネジメント」の2つのスキルがあり、どちらも重要です。
中高年の皆さん、暇ってありますか?もし暇な時間があるのでしたら、その活かし方こそが生きる道となります。中高年になると、仕事はそこそこでいいかなと考え、プライベートを充実させようとする人が増えてきます。それはそれで、いいことだと思うのです。プライベートが充実していれば、「暇」ではなくなります。
40代・50代になっても、ビジネスパーソンは学び続けることが重要です。今回は、40~50代からでも十分学べる「リストラ回避」のためのスキルをお伝えします。まずひとつは、「ロジカルシンキング」です。ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理し筋道を立て、論理的に分析する思考法のこと。管理職研修でもよくお伝えしているのですが、管理職の役割は全体像を見ること。全体を見たうえで、何が大事で何は捨てても良いのかを考える、物事を俯瞰的に捉えるスキルが必要となります。