2024.06.24
最も上司にしたくないタイプの代表格といえば、イエスマンの管理職です。イエスマンの管理職は、部下にとって最悪の上司といってもいいでしょう。イエスマンの管理職は、極端な言い方をすれば、自分の上司しか見ていません。部下のことはまるで眼中になく、上の言いなりになって、平気で部下に無茶振りをしたりします。
最も上司にしたくないタイプの代表格といえば、イエスマンの管理職です。イエスマンの管理職は、部下にとって最悪の上司といってもいいでしょう。
イエスマンの管理職は、極端な言い方をすれば、自分の上司しか見ていません。部下のことはまるで眼中になく、上の言いなりになって、平気で部下に無茶振りをしたりします。
自分が評価されるためだけに過酷な目標を与え、部下がどんなに苦しんでいても、何のフォローもしません。
保身のためなら、朝令暮改や責任回避当たり前。トラブルが起きたら、その責任まで部下に押しつけます。頭にあるのは、上司に気に入られて、出世することだけ。
そんなイエスマンが上司になると、当然、部下は疲弊してしまいます。心身を病んでしまったり、上司に見切りをつけて、離職してしまう社員もいます。
私たち人事は、そうした社員をフォローしたり、その上司に進言したりもしますが、イエスマンは上しか見ていないので、部下の評判が悪くても気にせず、行動を変えません。
部下が上司を評価できる「360度評価」や「多面評価」といった制度がある会社では、イエスマン上司は部下からは最悪の評価を下され、それが人事評価にも反映されることもありますが、こうした制度がどの会社にもあるわけではありません。
イエスマンは上には絶対に逆らいませんから、社長が人事も兼ねているような中小企業やベンチャーでは、むしろ可愛がられて、そこそこ出世したりもします。
理不尽な話ですが、イエスマンが上司になってしまったら、それを嘆いていても仕方がありません。特に30代以上になったら、ダメな上司でも使いこなすスキルが必要です。
イエスマンは、そもそも自分の意思がありません。上から言われたことは100%鵜呑みにするので、接し方次第では実はコントロールしやすい便利な存在でもあるのです。
たとえば、人事から伝えると思い通りに動いてくれない案件でも上の人にお願いしてOKを取れば、イエスマンは絶対やってくれます。上から話を通しさえすれば、イエスマンの管理職は意外と協力的だったりもするのです。
自分が実現したいことや、通したい案件があるときに、上司にダメと言われてあきらめてしまうようでは半人前です。上司にダメと言われたら、上の上から攻めましょう。
課長がダメだと言っても、部長がOKと言えば、課長はイエスと言わざるを得ません。
ただし、イエスマンの上司に直接アプローチしてしまうと「なんで俺を通さないんだ」と機嫌を損ねたりします。そういう場合は、上の上ではなく、斜め上の上司に相談するなど、社内の力学を読んで、上司に「イエス」と言わせる状況をつくっていくのです。
こうした根回しは、いやらしいことのように感じるかもしれませんが、ビジネスパーソンにとって、すごく大事なことです。「誰に言ったら、この人はイエスというのかな」といったことを常に見ておかないと、組織の中では本当にババを引いてしまいます。
会社で生き残るために必要なのは、上司に「イエス」と言って従うことだけではありません。上司に「イエス」と言わせる駆け引きを覚えることも極めて重要なのです。
上司にイエスと言わせるには、その上のキーマンから攻略していく。これはイエスマン上司の説得に限った話ではありません。この図式は、あらゆる仕事に当てはまります。
自分がやりたいことを実現するためには、決定に影響を持っている社内外のキーパーソンを把握して、交流を深めることが大切です。上司に直接言っても通らない案件を通すためには、誰に根回しをすればいいのかも知っておかなくてはなりません。
「俺は聞いていない」というだけで、反対する上司もいます。そこもキャッチしておいて、「今度この案件を通そうと思っているのですが、ご意見を伺いたくて……」と、事前にそういう人に声をかけておくと、スムーズに運ぶことがあります。これが「根回し」です。
社内外に幅広い人脈を持てると、案件を通す際の根回しや、企画実現の組織合意が得やすくなり、自分がやりたいことができる環境になっていきます。
では、どうしたら社内で人脈を広げることはできるのでしょうか?
そこで大事なのが、社内営業です。「○○が言うなら間違いない」「○○のためならやってあげよう」と信頼してもらえる仲間を社内(外)に増やしていきましょう。
多くの人脈を築くためには、相手のメリットになる情報を提供したり、仕事のお手伝いをしたり、人と人を繋ぐ場を設けるなど、信頼を得る努力が不可欠です。そこから人間関係を深めていき、いざというときに頼りにできる人間関係を築いていくのです。
また、自分自身もアピールして社内で認知されることも大切です。
そんなの実力と関係ないと思うかもしれませんが、案件を通すにせよ、昇進を目指すにせよ、同じ実力があった場合、社内での知名度が高いほうが圧倒的に有利です。「ああ、あいつね」と他部署の人から広く知ってもらえる存在を目指しましょう。
組織で昇進していくための評価基準のひとつに「人的ネットワーキング」と呼ばれるコンピテンシー(成果につながる行動)があります。
・社内や顧客企業のキーパーソンや専門家を把握し、影響力を持っている
・根回しがうまく、多くの人の協力を得て、案件を通せる
・社外の人的ネットワークを築おり、いろいろな人と人を繋いでいる
人事評価では、これらの行動ができるかどうかが、昇進や昇給に大きく影響します。人的ネットワークを構築するには、できるだけ多くの人と出会う機会を増やして、そこから一見関係ない人と人を結びつけ、そのネットワークの中心にいることが必要です。
きっかけは、仕事でも趣味でも何でもいいのです。時間があったら社内をウロウロして、いろいろな部署に顔を出し「最近どうですか?」と話をする。タバコルームや給湯室などで他部署の上長や経営陣にも声をかけてみる。本社や支社に行ったりするときは、おみやげを持参して、お互いの現場のリアルな状況などを情報交換する。
こうした地道な社内営業が、社内外のネットワーク構築には不可欠です。
イエスマンは上司の言うことは何でも聞くので、上からは好かれます。しかし部下からは徹底的に嫌われるので、信頼を得られず、人望がありません。こういう人材は、本当の意味で組織のトップに立つことはできません。
イエスマンのように「上」を見るだけではなく、「下」「横」「斜め」と視野を広げてアンテナを張り、交流を深め、多面的に動く。それが、本当に仕事ができる人です。
上司に「イエス」と言うだけでなく、自分の提案に「イエス」と言ってくれる人たちを社内外に増やし、自分にとって働きやすい環境をつくる。こうした行動が、結果的に昇進・昇給にも結びつき、自身の評価を高めていくことになります。
次回に続く。
人事という職に就いたならば、読む“義務”がある1冊
成果主義、職務主義、年俸制、人事部廃止… 90年代から変わらぬ「人事」の構造、変わらぬ平均給与額が、日本を世界トップクラスの「社員が会社を信頼しない国」へと導いたのです。
なぜ変革が進まないのか、その背後に潜む「考え方」の欠如とは何でしょうか?
中学時代に習ったこと、覚えてますか?
多くの人にとっては、すべての勉強の基礎になっている大事な「当たり前」のことですが、思い出せと言われても思い出せる方は少ないでしょう。
この「この一冊ですべてわかる 人事制度の基本」には、人事の当たり前が詰まっています。
ー「なぜ、あの人が?」
なぜ多くの企業で「評価基準」が曖昧になっているのでしょうか。
どうすれば給与が上がるのでしょうか。
11,000人超の人事担当者から絶大な支持を得るコンサルタントが、今まで9割の会社が明かさなかった「絶対的な指標」を初公開!
テレワーク時代には「ジョブ型」に留まらず、「超ジョブ型人事」が不可欠。
その一番の理由は、テレワークをはじめとするこれからの働き方には「監視しない事が重要であるから」です。
人事の“必須科目”を押さえる
プロの人事力
次のステージに向けて成長するためのキホン
人事担当者に必要な知識・学び方、仕事に対する心構え、業務との向き合い方、さらには人事マネージャー、人事部長へとキャリアアップするために必要な能力・スキルを一挙公開
このたびの社会情勢により、日本は未曾有の不況に陥ろうとしています。働き方に対するこれまでの常識もすべて崩れ去り、リモートワーク、オンライン会議、よりフレキシブルな通勤タイムなど、「新しい働き方」の価値観が根付いていくのは避けられそうにありません。このように労働環境が激変する中にあって、「より企業に求められる人材」とはどういったタイプなのか、これからの時代を生き抜いていくためには「何」をしなくてはいけないのか、私たちは改めて考える必要があります。
会社に不利益を与える社員=「モンスター社員」が、多くの会社で問題になっています。私たち人事の間では「困った人」「困ったちゃん」などと呼ばれているのですが、今回はこうした困った社員の代表的なタイプをまとめてみました。問題のある社員には、どう接したらいいのか、また気づかないうちに自分もそうなっていないか、あなたもチェックしてみてください。
リモートワークによって、日本の雇用制度は大きく変わろうとしています。リモートワークでは、社員が働く姿がよく見えません。上司によるマネジメントが徹底しにくくなるため、今後はセルフマネジメントできる人材が強く求められるようになります。では、セルフマネジメントとは、具体的には何をすればいいのでしょうか。
のハラスメントが、深刻な社会問題になっています。2019年5月には、パワハラを防止するための「パワハラ防止法(改正労働施策総合推職場進法)」が成立。大企業では2020年6月1日から、中小企業では2022年4月1日から、パワハラ防止のための措置が義務づけられました。これによって必要な措置を講じていない企業は、是正指導の対象となります。そこで今回は、パワハラやセクハラの「加害者」にならないように、人事の立場から防止策をお伝えしたいと思います。
新人研修、ビジネススキル研修、コミュニケーション研修、プレゼンテーション研修、管理職研修、問題解決研修、ハラスメント研修……。 会社にはさまざまな社員研修があり、年々増え続けているように思えます。 その一方、20代の多くが「研修なんて時間の無駄」と考えているという話もあり、 30代以上の管理職でも「研修って必要なの?」「役に立たない」と口にされる方も少なくありません。
リモートワークの浸透によって、日本の雇用制度のあり方が大きく変わろうとしています。「成果」を評価することは、リモートワーク時代におけるマネジメントの方向性として正しいと思います。「成果」は、そこに至る「プロセス」によってもたされますが、リモートワークにおいて「プロセス」が見えにくいとすれば、「成果」を重視せざるを得ない、ということは間違いないでしょう。
「高い業績をあげているのに、会社から評価されない」 「実力と給与が見合わない」 「自分ではなく○○が昇進するのが納得できない」 そんな悩みや不満がある人に、ぜひチェックしてほしいことがあります。 毎朝、職場のメンバーに「おはようございます」と明るくはっきりと声をかけていますか? エレベーターや廊下で他部署の人に会ったら、爽やかに「おつかれさまです」と言っていますか? 仕事が終わって帰る際、しっかりと「お先に失礼します」と声をかけていますか? もし、ひとつでも「NO」があるようでしたら、 それが評価や給与が上がらない理由かもしれません。
あなたは自分の会社の「給与の仕組み」を知っていますか? 何をしたら、どれくらい給料が上がるのか? そもそも、なぜ給料は毎年上がっていくのか? 昇給の具体的な仕組みを知っている人は、おそらくあまりいないと思います。 なぜなら、ほとんどの企業では「給与の仕組み」を公開していないからです。