2024.06.12
会社に不利益を与える社員=「モンスター社員」が、多くの会社で問題になっています。今回は、前回に引き続き、こうした「頭が痛い社員」の代表的なタイプをまとめてみました。問題のある社員には、どう接したらいいのか、また気づかないうちに自分もそうなっていないか、あなたもチェックしてみてください。まず挙げられるのは「勤怠不良型モンスター」。つまり、ちゃんと働かない社員です。
会社に不利益を与える社員=「モンスター社員」が、多くの会社で問題になっています。今回は、前回に引き続き、こうした「頭が痛い社員」の代表的なタイプをまとめてみました。問題のある社員には、どう接したらいいのか、また気づかないうちに自分もそうなっていないか、あなたもチェックしてみてください。
まず挙げられるのは「勤怠不良型モンスター」。つまり、ちゃんと働かない社員です。
これには大きく分けて2つあり、ひどい場合には解雇になるケースもあります。
■遅刻常習型
「たかが遅刻でモンスター?」。そう思う人もいるかもしれませんが、ご注意ください。
会社は「遅刻の常習犯」を解雇することができるのです。
たとえば、9時から18時まで働くことが決まっているのに、毎朝9時15分に来る。
こういう社員は「労働契約不履行」に当たり、度重なれば解雇要件になります
会社は社員と労働契約を結んでおり、勤務時間も就業規則で定められています。
遅刻は、この契約を破る行為になるわけです。
1回や2回の遅刻で解雇はされませんが、常習犯であれば、人事は厳しく当たります。
強く注意をし、改善を促し、それでも遅刻が減らないようならば「懲戒解雇」にもなり得ます。そして、その事実はあなたの経歴に残り続けます。
退社時間は18時なのに、17時半になるとトイレに行って帰ってこない。
こうした社員に頭を痛めている会社もありますが、これも「労働契約不履行」です。
「労働契約不履行」は、会社の罰則の中でも、特に重いもののひとつです。
たかが遅刻などと思っていると、取り返しのつかない事態になることがあります。
頻繁に遅刻している人は、十分注意してください。
■当日休みます型
「今日は頭が痛いので休みます」などと言って、当日に連絡してきて会社に行かない。
病気でもないのに、いきなり会社を休む。こうした行動も要注意です。
年に数回程度であれば、さほど問題になりませんが、毎月のように繰り返すと
人事は「サボり」や「仮病」の疑惑を抱いて、マークするようになります。
「有給にしてください」といって休む人もいますが、
当日連絡してきた場合は、原則として「有給休暇」にはなりません。
上司が許せば、当日の連絡でも有給休暇にしてもらえることもありますが、
ほとんどの企業では「有給は前日までに申告」と就業規則で決められています。
有給休暇は、社員に与えられた正当な権利なので取得理由を説明する必要はありません。ただし、会社には「時季変更権」という権利があって「この日は忙しいので別の日にしてほしい」と変更を促すことができるのです。当日「今日休みたい」と突然言われては、時季の変更はできませんからね。
有給休暇ではなく「欠勤」扱いになると、重大な契約違反となります。
なぜなら「欠勤」も「労働契約不履行」に当たるからです。
会社と労働契約を結んでいる以上、社員には定められた期間を働く義務があります。
たとえば「週に5日、40時間働きます」といった契約をしているのに、
その期間の労務提供がなければ、会社は「契約違反」と見なすことができるのです。
契約違反になると、人事評価は「標準以下」に下がり、昇給も昇進も停止。
賞与も減額されることがあり、その状態が2〜3年間も続くことがあります。
病気で休むのは仕方のないことですが、単に「会社に行きたくない」という理由なら、
昇進できず、給与も上がらず、ボーナスも減らされてしまう覚悟が必要です。
いきなり「休みます」と連絡する前に、そのリスクについてよく考えてみましょう。
そもそも正当な理由がない遅刻や欠勤は、周囲に迷惑をかける行為です。
あなた自身が該当するなら、要注意です。
こうした社員に困っている人は、上記の措置を参考にしてみてください。
■サボり型
そのものズバリですが、会社に来ても、仕事をしないモンスター社員です。
デスクには座っているけれど、ネットサーフィンをしている。
営業に行くといって会社を出て、パチンコをしたり、釣りをしたりしている。
労働契約においての従業員には「誠実勤務義務」や「職務専念義務」があります。
誠実に勤務することや、職務に専念することは、社員の義務なのです。
サボりは、労働契約に違反する行為だと認識しておきましょう。
本人はバレないと思っていても「成果は出てないけど、あいつサボっているからさ」と、
実は評価会議などで話題になっています。目に余る場合は、人事が証拠を押さえに行きます。
「誠実勤務義務」や「職務専念義務」を違反した社員に対しては、
解雇等の懲戒処分や、場合によっては損害賠償を請求することもあり得ます。
■生産性最悪型
サボってはいないけれど、パフォーマンスが低い、いわゆる仕事ができない社員です。
たとえば、タイピングが遅くて、普通の社員なら10分でできる仕事に2時間かかるため残業が多い。こういう社員の残業代に、頭を抱えている企業も少なくありません。
そもそも残業とは、会社が命じるものであって、本人の判断でやるものではありません。こうした社員には、仕事が途中であっても定時で帰ってもらって評価を下げる、
あるいは、明らかにパフォーマンスが図れる部署に異動させるといった措置をとることが多いです。そこでふるいにかけ、適切な評価を行い、処遇を決めることになります。
■協調できない型
周りに協力しない、周囲とうまくやれない社員です。これは人事としては「仲良くして」と言うしかありませんが、「あの人、困ります」とか「なんとかしてくれませんか」といったクレームがあまりにも多い場合は、異動を図るケースもあります。
また「それは私の仕事じゃありません!」などと主張して上司の指示を拒否するような社員には、「服務規律違反」が適用される場合もあります。
「服務規律」とは、就業規則で定められている行動規範。その行動が会社の秩序を乱していると判断された場合は、懲戒になるケースもあります。
■不安定型
感情が不安定なモンスター社員です。「キレる人」と「落ち込む人」の2つのタイプがありますが、キレる人は周囲を委縮させ職場の雰囲気を悪くします。
激しく落ち込んで帰ってこられなくなる人も、周りの人が遠慮して何も言えなくなり、業務に支障をきたすケースがあります。
どちらもストレスに弱いのでしょう。入社時にストレスチェックをする企業が増えたように、仕事には必ずストレスがあります。キレる人も落ち込む人も、通常の業務に支障をきたすほど不安定な言動が目立つ場合には、退職勧奨をせざるを得なくなる場合があります。
■反抗型
素直に応じない、周りの意見に従わないなど、何を言っても反抗する社員です。先述の「協調できない型」とも重なりますが、会社には「指示命令権」というものがあります。雇用契約には「会社の指示命令に対して従います」という内容が記されているのです。これに反する行為は「服務規律違反」に当たり、会社は懲戒処分にすることができます。
■自信過剰型
自分の意見が通らないとスネる社員です。信念を持つことは大事ですが、周囲の意見をまったく受け入れないのは問題です。上司に「言うだけムダ」と判断されてしまうと何のアドバイスもされなくなり、成長することもできません。若い人は特に注意する必要があります。
■他責型
「会社が悪い」「上司が悪い「世の中が悪い」など、何でも他人のせいにする社員です。これは、経営者が最も嫌うタイプです。まずは自分の責任という問題を考えてから、周囲とどううまくやるか、もし周囲に問題があるのなら、それを解決するのが仕事です。
自信過剰型や他責型の社員は、パワハラだったら別として、上司の正当な指示に従わない場合は、「指示命令権」を拒否したことで「服務規律違反」となり懲戒処分になる場合があります。
以上が、多くの会社で問題視されることが多い「頭の痛い社員」の代表例です。
会社には、就業規則というものがあります。ルールに違反した社員は、懲戒処分にすることができるのです。モンスター社員に悩んでいる会社は、こうしたルールを味方にするのもひとつの方法です。
逆に、自身に該当する項目があった人は注意してください。普段何気なくやっている行動によって、仕事を失うこともあり得ます。就業規則を熟読している人は少ないかもしれませんが、服務規律などについて詳しく書いてあります。今後のためにも改めて目を通しておきましょう。
次回に続く。
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